人気のある店の前に行列が並んでいる。
1組目は3人で、2組目は1人ぼっちで、3組目は仲良くカップル2人で、4組目は大勢5人で・・・というように。
これを数で表せば、
3,1,2,5・・・・・・
と書けるが、
このあと後ろに何人が並ぶのか、最終的には行列は何人になるか見当がつかない。
数学ではこのような数列は扱えない。
すなわち、
1,3,5,7,9・・・
というようにある「規則性」が類推できる数の並び方を扱うのである。
今、「類推」といったが、これも結構大事なことで、
例えば以下のように並んでいる数があるとする。
1,2,4,8,16・・・
たいていの場合、次にくる数は
16×2=32
と考えるであろう。
しかし、
32が答えとして当てはまるのは、
この数列が「前の数を2倍した数の並び方」という規則性が限りなく、
つづいていくことが前提であって、
仮に以下のような考え方をしてみると
1 2 4 8 16 ?
∨ ∨ ∨ ∨ ∨
1 2 4 8 (15)
∨ ∨ ∨ ∨
1 2 4 (7)
∨ ∨ ∨
1 2 (3) ←ある規則性がみつかるまで差をとってみる
「?」のところには31という数も入りうる。
要するに、
数学の上での数列というのは「ある規則性が限りなくつづく」
ということを
前提にして解いているわけである。
ある数列が有限個か無限個かということがとても大事な場合は多い。
1, -1, 1, -1, 1, -1, 1, -1, 1, -1
この数列が限られた個数であるとき、上の例でいえば全部で10個であるといえる場合、
この数列の全体の和はいくつかと問われれば、
(1-1) + (1-1) + (1-1) + (1-1) + (1-1) = 0
と答えられる。
けれども、この並びが「限りなくつづく」としたら
1, -1, 1, -1, 1, -1, 1, -1, 1, -1, 1, -1, ・・・・・・
この数列の全体の和はいくつかと問われても答えは1つに定まらない。
こうしてみると、
数学では、ある数の並び方に規則性があり、
それが有限の個数か無限につづくものかということを
分別するのが必要である。
その上で規則性を類推し、それを数式化(一般化)することが
数学の上で数列を解くことになる。
この考え方が必要であるのも、
君達が社会における自然科学や社会科学のさまざまな出来事の中から
規則性を類推できる現象
を見つけ出し、
それを一般化することが求められているからである。
したがって、