頭皮にこだわるおじさんの馬券理論



ここから先の話は、あまり人には教えたくないので内緒で読んでもらいたい。

世の中には公認されたギャンブルというモノがあってその中の1つに競馬というものがある。

馬や鹿は世間でうんざりするほど見たことがある人も、

競馬は一度もやったことがない御仁は結構いらっしゃると思う。

全てのルールを説明するにはこの紙面ではムリなのだが、

その馬券の買い方のひとつに「複勝」というルールがある。

これは投票した馬すなわち買った馬券の馬が1着から3着までのどこかに入れば‘「アタリ」という買い方である。

3着までのどこかに来ればいいわけだから、アタリの馬を探しやすいのはわかるだろう。

しか~し、

それだけに配当(アタリのときに返ってくる金額)も少ない、つまり倍率が低いわけだ。

一攫千金を狙う人たちは、この倍率の低さを馬鹿にして買うのを手控えている人も多い。

そこでだ!私が君達に伝授したい買い方をお教えしよう。

競馬はだいたい1日に12レースほど行われる。

まずは1着から3着までに入りそうな馬を1つ決めて100円の馬券を買ってもらいたい。

馬券は100円が最低の投資単位だからである。

この100円の馬券を1単位としておこう。倍率はせいぜい2倍もあれば、十分だ。

もし君が買った馬が見事に的中したとする。100円が200円なって返ってきた。

つまり単位計算では1単位が2倍の2単位になったのだ。

「こんな少しのお金なんか…」と軽く見てはいけない。

次のレースまでは30分弱しかない。

第2レースに出走する馬の様子をうかがうために、馬の顔見せを行うパドックに向かうのだ。

そこで色・つや・馬体の大きさ・馬の興奮の様子(走りたくてしかたがないか? 今日は少しおとなしめか? などなど)を

見て、

今度は2単位、つまり、

200円買おう。もちろん買い方は複勝である。

第2レースも3着までに来たとする。

掛け金は1×2×2=4倍の400円になっているハズだ。

ここで気を緩めてはいけない。

パドックに行って3レースの馬の様子を観察しよう。

そして今度は400円をまたもや複勝で買うのである。

だんだん君は馬の調子を見る目がついているはずだ。

3レースも冷静に400円、複勝で買おう。

見事的中すると1×2×2×2=800円になっているハズだ。

4レースも800円の複勝でいこう。

見事アタレば1600円になる。

ここで、

次のレースくらいは違う買い方をしようなどと思ってはいけない。

そういう移り気を世間では「スケベ根性」といって戒めている。

ここは浮気せずに複勝買いを続けるのだ。

そうすれば5レースで3200円、6レースで6400円、

7レースでは12800円、8レースでは25600円と2万円の大台に乗った。

気を引き締めて9レースも2倍配当の馬に注目しよう。

当たれば51200円である。

10レースを当てて102400円!

いよいよ今日のメインレース、11レースが来た。

ここでも複勝以外には目もくれてはならない。

メインレースは多数の馬が出走するので1着を当てる単勝も難しい。

やはりここは複勝でいこう。

こいつが的中したとする。

なんと朝に掛けた100円玉が204800円にまでふくれあがっているではないか。

これが倍々配当の恐ろしさである。

つまり君は公比2倍の等比数列を実践してしまったわけだ。

数式で表そう!。

配当金額=100円×9  ただし10  は2以上11レース+1=12まで…

 

どうしてこんなにウマいハナシが思いついたのかというと、

ある日、朝起きてみると私の枕に抜け毛が 1本落ちていた。

「1本くらいどうということない!」と気にもとめずにいたらば、

翌日には2本、又次の日にはその倍の4本、4日目には8本と抜け毛の数は増えるばかりだ。

それも2倍のペースで…。

そして11日目には1024本と1000本も一気に抜けてしまった。

明日の12日目には2048本の抜け毛が枕元に落ちているであろう。

競馬の方はレースに限りがあるからいい。

「駄菓子菓子」イヤ「だがしかし」私の人生にはまだ日数が延々と残っている、

このペースで抜け落ちると30日後にはどんだけの本数が枕をおおうのであろうか?

そんな恐怖とつきあいながら、前向きに馬券の的中方法を考えてみたのである。